生徒が聞く授業は導入で決まる!生徒を引きつける授業作りとは

授業・生徒指導

授業の導入では一時間の学習時間にどのようなことを学ぶのかを伝えたり、生徒に関心を持たせたりする大切な役割があります。生徒を引き付けるための導入部分は各教科で工夫がなされていますが、苦手な教科ほど導入部分の工夫次第で生徒の関心も高まっていくようです。

生徒の興味・関心を引き付ける授業づくりは、教員にとって大きな課題。なかでも大切なのは「導入部分」といわれています。授業に入ったすぐの時間帯で、いかに興味を持たせるかが大きな勝負と言えるかもしれません。では、成功に導く授業の導入とは、具体的にどんなことを行えばよいのでしょうか? 例を参考に、生徒を引き付ける授業の導入部分について考えてみましょう。

なぜ導入は大切なのか?

「導入で授業は決まる」と言われるくらい、指導において導入は重視すべき時間です。授業の本編に入る前に、その一時間でどんなことを学習するのかを伝えたり、資料や教材を提示したりすることで、生徒を引き付けるきっかけを作りましょう。生徒にとっても、導入が面白ければ、その後に続く授業への集中力が高まるというもの。関心を持てるかどうかの大きな分かれ目であり、教員の力量にかかっているのです。これから学ぶ内容に好奇心を持ち、関心を持つことで、生徒自身がより主体的に授業に参加するようになり、積極的な姿勢で取り組んでくれるはず。授業の冒頭部分は、学習に対する興味を左右するような山場といえるのかもしれません。

生徒の興味を引き出す導入とは?

導入部分といっても、それぞれの教科によって、そのプロセスは異なります。しかし、生徒の集中力を高めるような授業には共通点があります。例えば、生徒たちの思考にゆさぶりをかけるような投げかけもそのひとつ。資料を生徒に提示して質問したり、「なぜだろう?」と生徒に疑問を持たせたりすることで、新しい学びを目の前に、好奇心を高めるきっかけを作っています。こうした導入を取り入れることで、生徒の興味・関心を引き出してくれるようです。

生徒を引き付ける授業とはこんな授業だ!導入部分の実践例

ではここで、実際の授業例から、興味につながる導入の方法について見ていきましょう。

目の前の変化を印象付ける~山口県教育庁義務教育課による提案事例~
まず、資料を使った導入が行いやすいのが社会や理科での授業です。山口県教育庁義務教育課が提案した「小学校理科における指導のポイント」によると、「問題解決的な学習」を成立させるための導入部分として、生徒に「不思議だな」「調べてみたいな」と思わせるような事象を起こすように提案しています。
例えば、水溶液の性質を学習する場合、透明な水溶液と水とを準備し、指示薬の色を変えることで、見た目の変化を印象付ける導入を行います。水に似た液体が、金属を溶かしてしまうのも、生徒の関心を引き付けてくれることでしょう。

実物をみせ生徒の興味を引き付ける~小学4年生「私たちの住む県(岡山県)」にみる実践例~

社会科では、実物を提示することで興味をひく方法もあります。岡山県を題材にした身近な地域学習では、岡山県の特産品であるホルモンうどんの写真と岡山県の地図を準備し、クイズ形式で楽しみながら導入を展開していきます。「ホルモンうどんはどこでも食べられますか?」という発問に、生徒たちは身近なところでは売っていないと答えます。しかし「なぜ売っているところが決まっているのですか?」という問いかけに対しては、子供たちはその答えを独自の発想で考えます。結論を見つけるまでに、わからないことを調べるという、生徒主体の授業を展開していくことができます。

魅力ある導入部分が生徒主体の授業をつくる!

それぞれの教科によって使える資料やアイテムが異なります。工夫をこなしながら導入を考え、オリジナルの授業を始めてみましょう。生徒の授業参加を喚起することで、教師主導の授業ではなく、生徒中心の主体的な時間に作り上げたいものです。こうした努力が成功した時には、改めて、生徒たちの学習意欲の高まりも期待できるのではないでしょうか?

参考: