複数の教員免許を取得するためには?

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教員免許を持っている人がキャリアアップのために、教員免許を増やす方法があるのはご存じでしょうか? 実は、新たに教育実習などに行くことなく、教員免許を増やす方法が存在します。ここでは教員免許を取得している人が、教育実習に行くことなく、大学の通信制課程などでの単位取得によって教員免許を増やす方法について見て行きたいと思います。

教員免許を持っている人がキャリアアップのために、教員免許を増やす方法があるのはご存じでしょうか? ここでは教員免許を取得している人が、教育実習に行くことなく、大学の通信制課程などでの単位取得によって教員免許を増やす方法について見て行きたいと思います。

高校の免許のみ取得している場合

高校の免許のみ取得している人が採用情報を見て応募を検討しても、中高一貫校などでは採用の条件として「中高の免許を取得していること」となっていることが多く、応募を断念したという経験はないでしょうか? 教員免許を複数取得することをめざす一番多いケースとして挙げられるのが、「高校の免許(専修または一種)のみ取得している人が、中学の免許も取得する」という形だと思われます。いくつか方法はあるのですが、最も取得する単位が少ないものとして、教育職員免許法の別表第8によって隣接免許を取得するという方法があります。具体的には、高校の実務経験3年+大学での新たな単位習得(9単位)によって、隣接する中学校の同一教科(または関連教科)の二種免許が取得できるというものです。この方式であれば、学生時代に介護実習に行っていなかったという人も、介護実習に行くことなく中学校の教員免許を取得できます。

中学校の免許のみ取得している場合

高校の免許のみ取得している場合と同様、中学校の免許(専修または一種)のみ取得している場合は、教育職員免許状の別表第8によって、中学での実務経験3年+大学での新たな単位取得(12単位)によって、隣接する高等学校の同一教科(または関連教科)の一種免許が取得できます。この場合、高等学校の一種免許が取得できる点が高校の免許のみ取得している場合と異なります。

他教科の免許を取得している場合

例えば中学校社会の教員免許(専修または一種)を取得している人が他教科の教員免許を取得しようとする場合、教育職員免許法の別表第4に基づき、大学での単位取得(28単位)によって中学校英語などの教員免許(一種)が取得できます。また、高等学校の教員免許の場合は、例えば高等学校国語の教員免許(専修または一種)を所持する人が大学で24単位を取得することで、高等学校宗教などの教員免許(一種)を取得することができます。別表第4の場合、別表第8とは異なり、教職経験が必要とはならないことが特徴といえます。

複数免許取得の際の注意点

別表第8以外の方法で複数の免許を取得する際には、かつて大学で取得していた単位が認められることがあり、その場合にはそれだけ新たに取得する単位が少なくてすむことになります。つまり、大学時代の単位の習得によっては別表第8よりも適した方法がある可能性があるわけです。卒業した大学で該当する教員免許に関する「学力に関する証明書」を発行してもらい、教育委員会で確認してもらいましょう。また、実務経験について、非常勤講師などの経歴の扱いは教育委員会によって異なりますので、これもあらかじめ確認が必要です。

複数の免許を持つ方法について見てきました。免許が増えるということは、それだけ先生になるチャンスが増えるということです。また、新たに教員免許を取得すると、今まで持っていた教員免許の期限も新たな免許に合わせて更新する手続きをとることができ、他の人より教員免許更新講習を受けるタイミングが遅くなるという隠れたメリットもあります。ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。