教師が心がけておきたい子どもが伸びるほめ方とは

授業・生徒指導

ほめることは子どもに自信を持たせ、成長につながります。ほめるときには、ほめるポイントをしっかり押さえてほめることが大切です。また、よくないことをしたときでも正直に話した場合は正直に話したことをほめましょう。子どもの発達段階に合わせたほめ方でより子どもが伸びるでしょう。

ほめることは子どもに自信を持たせ、やる気を起こさせ成長のエネルギーをわかせます。ほめ上手になって、子どもをぐんぐん伸ばしましょう。今回は小学校の教育について考えていきます。

ほめるときのポイントを知る

子どもが伸びるほめ方の基本は3つあります。
1つめは、子ども自身がよいことをしたと思っているときに正しく評価します。2つめは子ども自身が自分の行動や言動のよさを気づいていない時に、おとなの目線でよさを認め、子ども自身に気づかせることです。たとえば、教室のごみを拾った子に対して、「○○さんありがとう。ごみを拾ってくれたので教室がきれいになったわ」など、具体的な事実をその場でほめるようにします。3つめは、なにが正しいか、なにが間違っているか価値観をきちんと通してほめるようにします。また、直接ほめるのではなく、だれかがほめていたことを伝えることも有効です。たとえば、「校長先生から○組のみんなはあいさつがすばらしいとほめていただきました」といったようにすると自分たちを誇らしく思え、その後も継続するようになるでしょう。

正直に話したことをほめよう

子どものときはとくに規範づくりが大切です。子どもが正直に言ったことをほめるようにすると、正直に言うことの大切さがわかります。たとえば、遊んでいる最中、ボールを持つ手に力が入りすぎて、ガラスを割ってしまったときに、正直に名乗り出たとします。そんなときは、ガラスを割ったという行為はいけないこととして反省をうながします。しかし、それより、正直に名乗り出たことをほめると、これからも正直にしようと心がけるでしょう。たとえば、「あなたが正直に伝えることができて、先生はうれしいですよ。あなたの心は輝いています」というように正直な姿勢をほめましょう。

子どもの発達段階に合わせたほめ方をする

子どもは発達段階によって、ほめられてうれしい内容が変わってきます。発達段階に合わせてほめるようにするとより子どもが成長するでしょう。小学校低学年ではできごとをほめるようにします。自分が良い子になったという実感を持たせることが次もそうしようと思うことにつながります。低学年では「姿勢の良い子が3人います」というと、みんなの姿勢がよくなります。良い子をほめるとそれが自分だと思ってそのようにするのです。また、シールやメタルなどの具体物があると、より子どもたちの自信につながります。中学年では人間関係をほめるようにします。中学年になってくると人間関係が少し複雑になってくるため、人間関係など、伸ばしておきたいことをほめるようにするとよいでしょう。また、高学年ではその子のよさを見つけてほめるようにします。高学年は将来に向かって自分を見つめる大切な時期です。その子自身を成長させるような言葉でほめ、応援するようにするとよいでしょう。

ほめられると快さを感じ、またほめられようとする

ほめられることで子ども自身に満足感や成就感が出てきます。自分の行為は教師から良さを伝えられることで改めてわかるところがあります。ほめられると子どもはうれしくなり、快さを感じます。その快さを感じたくてまた良い行動を行い、結果、子どもの良さを伸ばすことにつながるのです。良い行動をした子どもだけでなく、周りの子もほめるように小さく見える行動を見逃さないようにすることも大切です。たとえば、「おはようございます」と子どもが丁寧な言葉であいさつをしたとします。「丁寧な言葉であいさつを受けたので気持ちがよいです」と伝えると、周りの子も同じように丁寧なあいさつをしました。そこで、すかさず「友達の良いところに学んであなたは気づく力を持っています」と言うと、その良い行動が広がっていきます。