
書く力は考える力にも連動しており、子どもたちが生きる力を備えるうえで大事なもののひとつです。書く力を育てるには、書くことが楽しいと思えるようにすることが大切です。また、書くための技術を育て、毎日、書く活動を入れ、日常化する工夫をするとよいでしょう。
書く力は考える力にも連動しており、子どもたちが生きる力を備えるうえで大事なもののひとつ。子どものうちから書く力を積み上げていくことが大事です。今回は、小学校教育における「書く力を育てる授業」の作り方のポイントをご紹介します。
書くことが楽しいと思えるようにする
書くことが苦手な子は書くことがおもしろいと感じないことが多ようです。そうならないために子どものうちに書くことが楽しいと思えるように育てることが大事です。書くことが楽しいと思える経験は、1つめは、自分を発見できること。書く前と書いた後で自分の変化を自覚できると、子どもにとって書ことが楽しくなるでしょう。変化が自覚できるような言葉かけも大切です。また、2つめは、書いたことによって自信を持つことができること。これは文章をほめたり、その文章を話題にして考えを広げたりするような仕かけです。3つめは、快さを感じること。書いたことでよかったと思える経験を積み上げることが快さを感じることにつながります。書いたものを文集にまとめる、発表会で活用するなど、書いたものを見てほしいという気持ちを満足させるようにするとよいでしょう。
書くための技術を育てる
書くことの基礎技術を、子どものうちに育てることが大事です。書くことの入門期には、「いつ・どこで・だれが・なにを・どうした」という文章を正しく書けることに重点を置きます。そして文章の基本は起承転結です。それぞれ短い文章をつなぎ、起・承・転・結の4つを意識しながら、自己紹介や友達の紹介、本の紹介、私の好きなこと、私ががんばったことなどをテーマにして文を書かせてみます。起承転結の構成に慣れてきたら、転の部分に「しかし」「でも」などの接続詞をつけることを試してみましょう。これまでの文に変化がつくことが発見できるでしょう。徐々に文章量を増やし、書く技術を育てていくとよいでしょう。
書くことを日常化する
書くことが苦にならないようにするには、折に付け、子どもに書かせる活動を取り入れることが大切です。連絡帳や日記など、毎日、書く活動を取り入れることで書くことが日常化します。低学年では連絡帳に明日の予定や持ち物などを書かせるようにするだけで書く習慣がつきます。書くことに慣れてきたときに、家の人に伝えたい一文を書かせるようにするなど、少しずつステップアップして、徐々に長文を書くように挑戦していくとよいでしょう。
また、子どもが書きたくなるような題材を提供することも大事です。たとえば、「私のペット」「作り話シリーズ」「もし私が○○だったら」「好きな言葉」「ないしょ話」「朝起きたら○○になっていた」など。楽しい題材を工夫してみましょう。
授業のどこかに書く活動を取り入れよう
1時間の学習の中で、書く活動を入れるようにすると、授業が引き締まってきます。とくに国語科の授業では書く時間を作るとよいでしょう。1時間の学習では、学習の始まり段階で書く、学習内容を整理する段階で書く、自分の学習の振り返り段階で書くなど、さまざまな場面で書く活動を設定することができます。書く活動を取り入れるときは、「今から5分間で書きましょう」というように、時間を区切って活動を取り入れるようにすると、子どもたちに見通しがつき、集中して書くことができます。