
学習力を上げるには、子ども本人にやる気を起こさせることがいちばんです。子どもにやる気を起こさせるには、子どもが努力したことを認めたり、目標を立てることで見通しを持たせたり、集中力を持たせたりしてやる気をアップさせるようにします。子どもに興味を持たせる発問をすることも大事です。
小学校の教育において、学習力を上げるには、子ども本人にやる気を起こさせることがいちばんです。今回は、子どもにやる気を起こさせる技を紹介しましょう。
認めることでやる気を起こさせよう
子どもを認めたり、励ましたりすることで子どものやる気はぐんとアップします。子どもを認めるポイントを紹介しましょう。
- 努力をしている:例えば宿題を忘れる子が今週は宿題を忘れなかった、音読を練習してきている、いつもより漢字練習をしているなど、特に子どもが努力をしている行為を見逃さないようにする。どんなに小さい努力でも認めると子どもはうれしい。
- いつもより取りかかりが早い:席につくのが早い。教科書を開くのがいつもより早いなど。
- 字を丁寧に書いている:ノートの字をいつもより丁寧に書いているなど。
- 姿勢がよい:いつも姿勢がよい子に対して「○○さんはいつも姿勢がよいですね」などと認めると、ほかの子もまねをする。
見通しを持たせてやる気を起こさせよう
目標を持つことで、子どものやる気が上がります。例えば、読書なら、クラス全員で月1万ページなど、クラス全員でまとまった目標を立てるとよいでしょう。
そのとき、読んだページ数をグラフで表して、何ページまで達成したかみんなにわかるようにすると達成ページが目に見えて「もっとがんばろう」「みんなで達成しようよ」という気持ちがわいてきます。
また、クラス全員の目標だけでなく、個人の目標、例えば1人月300ページといった目標もあわせて設定しておくと、個人としてのやる気も起きてきます。
集中力を高めてやる気を起こさせよう
ちょっとした工夫で子どもの集中力は上がり、やる気を起こさせます。例えば、「次の問題を5分で考えなさい」というように時間を区切ると子どもの集中力が続きます。
このとき、「残り1分」など経過を教えると「もうまとめないと時間がない」というように子どもたちもやりやすくなります。時間を区切るときに、タイマーを利用する場合もあります。
教室に大型モニターが入っている場合には、画面にデジタル時計を映し出して、残り時間がわかるようにする方法もあります。
また、ときには全員が手を挙げてほしい発問を取り入れることも集中力を高めるでしょう。1時間に1度くらい全員が手を挙げる場面をつくります。
例えば、発問して、すぐに手を挙げた子に当てないで、もう数秒待ちます。この間で、あと数人の手が挙がります。ここで指名してもよいし、もう少し挙がるまで待ってもよいでしょう。環境や目の前の子どもに合わせて工夫してみましょう。
興味を持たせよう
やる気の最初は、興味を持たせること。もっと詳しく知りたいと思わせるような工夫をすることが大事です。
例えば、子ども全員に身近な「○○公園までの距離はどれくらいあると思いますか」とか、「学校の西校舎の階段は全部で何段あると思いますか」など、学年に応じて、知的好奇心を満たすような発問を考えておくとよいでしょう。子どもは「あれ、どれくらいだろう?」「おもしろそう」「数えてみよう」と思い、学習意欲を高めます。