
教員にとって生徒の顔と名前を覚えるのは、意外に大仕事。しかし、生徒と信頼関係を築くうえでは欠かせない作業です。円滑な学級運営や授業のためにも、生徒の名前を、新学期の最初のひと月で正確に覚えておきたいもの。今回は、名前を覚えるためのコツを紹介します。
新学期になると教員の頭を悩ませるのが、新しく受け持つ生徒の顔と名前を覚えること。生徒の名前を覚えてしまえば、学級運営もスムーズになりやすく、できるだけ早く覚えたいところです。しかし、実際にはそう簡単にはいきません。同じ姓の生徒が複数いたり、読みづらい名前や発音しにくい名前があったりと、間違えないようにと思えば思うほど、なかなか覚えられないものです。そこで今回は、誰もが覚えやすい、生徒の名前と顔の覚え方について紹介しましょう。
新学期を迎えた教員の悩み№1!生徒の名前はどう覚える?
新学期を迎え、「生徒の名前が覚えられない」と悩んでいる教員も多いはず。ユニークな読み方や当て字を使ったキラキラネームが話題になってからずいぶん経ちますが、生徒の名前が複雑になればなるほど、覚えにくくなっているも事実でしょう。中学や高校になると、担任だけでなく、教科担当や顧問としてなど、名前を覚えなくてはならない生徒の数も増えていきます。生徒たちとの関わりが多いほど大変にはなりますが、名前を覚えなければ、信頼関係を築くこともできません。生徒の名前を正確に早く覚えるほど、生徒の信頼度も高まるというものです。
これで完璧!生徒の名前を覚えるコツ
少しでも早く生徒の名前を覚えるには、ちょっとしたコツがあります。ただ、何となく覚えるのではなく、しっかりと頭に定着させるような工夫を取り入れてみましょう。自分に合った方法を取り入れながら、生徒の名前を覚えるコツをつかみましょう。
1.まずは、座席表を覚えよう
新学期の始めは、出席番号順で座席を作ることが多いのではないでしょうか? 新学期前にしっかりクラスの座席表を作っておくことが、名前を覚えるコツの基本です。担任であれば自分で作成したものを利用し、教科担当の場合は担任の教員にお願いしてコピーさせてもらいましょう。常に持ち歩き、顔を思い浮かべながら覚えること。生徒の顔をまだ覚えていない時期でも、場所で名前を特定できて便利です。
2. 会話のなかで反復しよう
なかなか名前と顔が一致しない生徒も、なかにはいるものです。そういう場合には、できるだけ積極的にコミュニケーションをとり、会話のなかで生徒の名前を出すようにしましょう。あえて何度も言うようにすることで、イメージを定着させるといったテクニックです。「○○さんは授業でわかりにくいところない?」「○○さんは何の部活に所属しているの?」と、何気ない会話のなかで何度も名前を反復すること。繰り返しているうちに、名前と顔が一致するようになり、記憶に残ります。毎日の挨拶で「○○さんおはよう!」と声をかけるのも有効な手段です。別れ際に名前を見直したり、寝る前に反復したりするのもよいでしょう。
3. 関連付けて覚えよう
英単語や年表を覚える時のように、人は関連付けて覚えると記憶に残りやすいといわれています。例えば、自分の知り合いの○○に似ているとか、知り合いのいる○○町に住んでいるといった、情報を介して記憶に残す方法です。また、名前の漢字を使ってイメージするやり方もあります。例えば、村山なら村と山がある自然の印象を生徒と一緒に思い出すなど、関連付けを考えてみましょう。
4. 特徴と人柄を想像して覚える
同じ顔の人間は少ないように、生徒にはそれぞれ見た目や性格の特徴もあります。例えば、目が大きい、一重の目、おでこが広いといった特徴から覚えるのもひとつの手です。雰囲気から、「優しそう」「気が強そう」などと自分がイメージする人柄をリンクさせながら、想像力を働かせます。実際に話していて自分の予想した人柄と同じであれば「予想通り!」、イメージと違っていても、かえって印象が強くなり、記憶に残りやすくなります。ただし、これは自分の心の中だけで行うもの。生徒に対するイメージの決めつけや発言には注意しましょう。
名前を覚えることはコミュニケーションの第一歩
人の名前を覚えるということは、重要なコミュニケーションのひとつです。ましてや1年間一緒に過ごす生徒にとって、先生が名前を覚えることは当然のことと考えています。名前を覚えることは、そのまま生徒との信頼関係にもつながります。円滑な学級運営、授業の運営のためにも、新学期最初のひと月で自分の受け持つ生徒の名前はしっかりと覚えておきたいものです。