
授業での教師の役割は児童・生徒が活躍できるようにすることが大事です。児童・生徒が考えられるようにしたり、グループ学習を有効にしたり、習得することを明確にするような言葉かけや支援が重要です。そしてなにより、教師の言葉遣いはそのまま児童・生徒に影響を与えるため、日頃から気を付けるようにしましょう。
教師は児童・生徒に知識を教えるという役割から、教えるだけではなく、児童・生徒が活躍できるようにするプロデュースとしての役割に変化しつつあります。どのように授業をプロデュースするのか、その方法を紹介します。
児童・生徒が考えるように活動を助ける
授業中、児童・生徒が考えるように導くのが教師の大きな役割のひとつです。児童・生徒が一から考えるのにはかなりのエネルギーを必要とします。教師が「では、○○について考えましょう」と言って、一から考えられる子もいますが、自分だけで考えるのが苦手な子もいるでしょう。この考えることが苦手な子を考えるように支援することが大切です。考えることが苦手な子にとって、考えることがなぜ苦手なのか、それは「どのように考えてよいかわからない」ということがあります。そこに手を差し伸べることが重要です。
たとえば、小学校での授業では、選択肢を出してそれについて、自分の意見がどの意見にもっとも近いのかを考えさせるようにすると考えやすいでしょう。複数人意見を発表させ、Aさんの意見、Bさんの意見、Cさんの意見と選択肢ができるようにします。自分はどの意見と同じなのか、また近いのか、子ども自身が自分の立場を決めることができるのです。そのとき、なぜその意見なのか、理由を考えさせるように導くとより考える活動がスムーズになるでしょう。
グループ学習での手法を知る
グループ学習ではさまざまな手法があります。グループ内の一人一人の意見を出し合う方法、ノートに書いたものを読み比べる方法、ある意見に対して感想を書く方法、教科書を読み比べる方法などさまざまな方法があります。そのなかでどれを取り上げるかを教師が決め、児童・生徒にこの方法で学習することを理解させることが大切です。
たとえば、グループで話し合いの学習をするとします。その場合、それぞれの意見を出し合って、一つの意見にまとめるのか、あるいは、友達の意見と意見の違いを比べるのか、その目標をどこに置くのかで話し合いが変わってきます。話し合いの内容はもちろんですが、話し合いの目標をどこに置くのかを決めることも重要です。また、グループで話し合ってから、そのグループの代表者が発表するのか、あるいは、自分のノートにグループの意見を書くのかなど、話し合い後にどうするかによっても学び方が変わってきます。目の前の児童・生徒の実態や題材に合った方法をとりましょう。
習得したことを明確にする
本時の学習でなにが深まったか、新しい課題になったことはなにかなどを児童・生徒が理解できるようにまとめることも教師の役割のひとつです。最初に、本時の授業ではなにを学んだか、学習した手順や学んだこと、大切なキーワードなどを示します。次に、本時の学習と子どもたち自身の関わり合いを各自確認します。自分はどのような発言をしたか、どのように思ったか、発言をした友達の意見に対してどう思ったかなど、これは各自、それぞれ異なってきます。そして、この授業で成果のあったことを確認します。また課題として残ったことや新たに出てきた課題に対しても掘り起こします。このような順序に沿って、各自書かせると児童・生徒一人一人の成果として残ります。それによって、自分の習得したことが明確になり、習得の喜びを感じることができるでしょう。
教師こそが言語環境になる
教師の言葉はそのまま言語環境として児童・生徒に反映します。たとえば、小学校のクラスで子どもたちが騒がしいとき、「静かにしなさい!」と子どもの声以上に大声で叫びたくなる気持ちをぐっと押さえて、やさしく諭すように説得力のある言葉を投げかけることが大切です。いつも正しく、穏やかな言葉遣いをするように心がけることが、実は児童・生徒を育てることにつながるのです。
私学の幼稚園・小学校・中学校・高校の教員を目指す方へ 私立学校の求人なら 【T-POST】(国語・数学・社会・理科・英語の主要5教科のほか、保健体育・家庭・美術・音楽・技術・情報・養護・看護・小学校などの教諭・講師募集も多数取り扱っています) ※全都道府県の私学のほか、海外の採用情報も配信