
教育実習の心得として、生徒の人格を尊重し熱意と愛情を持って教育に携わるのは大切です。同時に、社会人としての謙虚さと責任感を持つことも重要です。生徒の模範となるような節度ある「社会人としての対応」を意識的に心がけて行動しましょう。
教育実習は、実習生が研究と実習を行う一定の期間ですが、生徒にとっては人格形成に関わる貴重な学校生活そのものです。子どもたちへの愛情と思いやりが重要なのはいうまでもありませんが、同時に、実際の教育現場に携わる上で、社会人としての謙虚さと責任感を持つ必要があります。いわば「社会人としての対応」を意識的に心がけることが「教員のあり方」を身に付ける上で最初の一歩となります。今回は、教育実習生が心得ておきたい2つのポイントについて考えみましょう。
ポイント1:社会人としての対応とコミュニケーション
実習生の心得として重要なのは教育への熱意や生徒への愛情だけではありません。実習生を受け入れる学校運営側は「教員としての節度と規律ある対応」を重視しています。そのため「社会人としての対応とコミュニケーション」に充分、配慮することが大切です。特に、生徒たちとの交流には注意しましょう。学生の感覚で、ついサービス旺盛に個人的に仲良くなり過ぎたり、友達のように関わったりすることは「教員のルール」から外れてしまう危険性を含んでいます。実習生の気軽な判断が軽率な言動となってしまうことのないように、節度ある社会人としての対応を心がけ「教員のあり方」について意識を高めていきましょう。
ポイント2:「生徒の模範者である」と心得る
規律正しい教育実習生の振る舞いは生徒の模範となります。社会人として節度ある行動を心がけることが教員としての成長にもつながります。特に、日常的な言動や生活習慣として以下の点をチェックしておきましょう。
- 無断欠勤、無断遅刻をしない
- 出勤時間、授業開始時間を厳守する、
- 日誌や記録を、担当教員に毎日、提出する
- 交通ルールを守り、歩行喫煙を絶対にしない。通勤途中で事故を起こさない
- 校内で携帯電話を使用しない、電源を切る
- 校内で喫煙をしない
- 髪の色、身だしなみ、児童生徒学生の模範となる指導者としての身だしなみと態度
- 個人情報の保護に十分注意する。学校内での情報を学校外で口にしない
- 生徒、学生と個人的なかかわりを持たない(メアド、電話番号を聞かない、教えない)
上記は常識的な内容ですが、実際に普段からしっかり実践していくことで、教員としての信頼が培われていきます。また服装にも配慮しましょう。「ピアスくらい、いいよね」「ジャージで通勤している先生もいたから、ラフな服装でも大丈夫そうだな」そんな自己判断による行動は、指導者としての資質が乏しいと評価されかねません。
実習期間とはいえ、すでに社会人として見られていることを自覚しましょう。
信頼を重ねることが自信につながる
教育実習期間は、他の教職員や学校経営側の協力体制のもと、実践的に自分を研鑽できる機会です。教育の現場に身を置いて学校長や教頭、あるいは学年主任、教務主任、先輩教員から多くを学ぶことができる貴重な日々といえます。とはいえ、教えてもらう形の「受け身で学ぶ姿勢」だけでは充分とはいえません。自発的、積極的に貢献する姿勢で学ぶことによって大きな成長を遂げるチャンスとなります。節度ある対応をひとつひとつ重ねていくことで教員としての自信も形成されていきます。
教育実習生としてどうあるべきか?そんな疑問や不安が浮かんだ時は、社会人としての常識に照らして、今の自分が「生徒の模範者」となっているかどうかという視点を見失わないように心がけていきましょう。