
学校現場のIT化により、ワープロや表計算で作ったドキュメントを共有することで、業務の省力化が可能になっています。業務引き継ぎや教材作成など、さまざまな場面で業務を効率化し、時間の節約をすることが可能です。書類仕事を上手くこなし、生徒と向き合う時間の確保を目指しましょう。
日々忙しく働く教職員。授業やクラス活動、部活動など生徒と関わる仕事はもちろんですが、意外と時間や手間がかかるのが書類仕事です。授業用プリントや学級通信の作成、印刷だけではなく、行事予定や時間割、分掌関連、事務処理用文書など、教職員の仕事は大量の書類を扱う必要があります。ここでは主に、作成した文書の共有による作業の効率化を考えてみましょう。
ワープロソフト・表計算ソフトでの書類作成
教職員間で作成する書類は、ほぼすべてPCのワープロソフトか表計算ソフトで作成されていると考えてよいと思います。つまり、元になるファイルがあれば、誰でも編集や改訂を簡単に行うことができるということです。
例えば、入学式や卒業式、入学選抜試験、体育祭など、毎年恒例の行事に関連する文書を作成する際は、昨年のものをベースに作成するのが効率的です。配置換えなどで担当者が変わった場合も、前年度を参考にして作業を進めることができます。ただし、再利用の際には「年度」「日付」を新しくしておくことは忘れないようにしたいところです。
職員室内LANを利用したデータの保管や受け渡し
学校現場のIT化も進んでいますので、職員室内LANを整備している学校も多いことでしょう。その場合、データの受け渡しはLANを介して行うのがよいでしょう。USBメモリなどを使用することもできますが、紛失や情報漏えいのリスクがありますし、LANの方が高速です。
またLAN上に保存用のサーバがあれば、毎年のデータを蓄積しておくことができるため、「学校祭の売店の規制はどうだったか」「交通安全教室の時期はいつだったか」などを知りたいと思ったとき、すぐに過去のデータにアクセスできます。前年の担当者に聞いて回るような手間を軽減できるのです。
もちろん、文書ではわからない面もありますので、前担当からの引き継ぎは不要だということではありません。お互いのため、時間を節約できる部分は上手に節約するのが重要ということです。
教材のフォーマット共有で授業準備を効率化
共有のメリットは、教科内でも生かされます。例えば、前年と同じ教科書を使用するのであれば、英単語テスト、数学の練習問題、日本史の確認テストなどを再利用することができます。編集もできるため、それぞれの先生の個性で独自問題を追加することも簡単です。
表計算ソフトの関数に詳しい先生がいれば、小テストの作成フォームを作ることもできるでしょう。それを教科内で共有すれば、作成の手間がかなり省けることになります。また、試験終了後に入力できるよう、LAN上に点数の入力フォームを置いておくことなども考えられますが、点数の取り扱いについては安全性が懸念されるため、情報管理部門の合意を得たうえで行うべきでしょう。
実際に共有を行う場合には、情報漏えいや改ざんの危険性を考慮して、データの持ち出し禁止やパスワード保護などの措置が必要になるでしょう。
ドキュメント共有化で生徒と向き合う時間を増やそう!
以上、文書の共有による効率化の例を挙げましたが、これは生徒と向き合う時間を持つためです。近年では教育行政の変化に伴い、さまざまな新規業務が学校現場に生まれていますが、教育は生徒あってのものです。事務的な書類に時間を奪われ、生徒に関わる時間が削られるのでは本末転倒です。しかし、書類仕事をおざなりにしてよいということでもありません。文書データの共有で上手に書類仕事をこなしつつ、生徒との時間もしっかりと確保して、実りある教育活動を行いたいものです。
参考:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/konai_lan.html