副担任ってどんな仕事?副担任の業務と役割

授業・生徒指導

副担任は、担任の教員をサポートする役割を担っています。担任の教員のなかには、受け持つクラスに明確なビジョンを持っている人も多く、その学級運営が円滑に進むよう積極的にサポートすることが大切です。個々の生徒との時間をもちやすいという副担任が、そのメリットを生かし担任と連携することで、より良い学級経営が可能となるでしょう。

「教師生活は副担任から始まる」、そういわれるほど、教師一年目は副担任としてスタートすることが多いようです。近年、担任と副担任の垣根をなくす動きも増えるなかで、改めて副担任の役割を見直し、そのメリットを活かした学級運営進めるところもあります。とはいえ、実際の現場では、副担任としての仕事が明確になりにくいという一面も。今回は事例をもとに、具体的な副担任の仕事内容や、学級における副担任の役割について紹介します。

副担任の役割とは?

副担任とはその名前の通り、担任をサポートしながら学級運営に携わっていく教員のこと。担任の教員が不在の場合は、ホームルームに出て連絡事項を生徒に伝えたり、出欠を確認したりと、担任の代理として担任業務を行うこともあります。近年では、担任と副担任の連携を強めて学級運営に取り組む学校も増えており、副担任のあり方が見直されています。何かと忙しい担任と比べ、副担任には自由に動ける時間が多く、個々の生徒と密にかかわる時間が作りやすいというメリットもあるからです。とはいえ、あくまでもクラスでの主体は担任。副担任は、担任のフォローやお手伝いを行うのが大きな役割です。より良い関係をつくり、スムーズな学級運営となるよう連携を深めるのが大切だといえるでしょう。

積極的な「サポーター」のスタンスで

担任と副担任の垣根がなくなりつつあるとはいえ、担任にとって、受け持つクラスは自分の城のようなもの。担当することになった一年間で、明確なビジョンを持って担任業務にあたる教員も少なくありません。副担任として意欲を出すのは良いことですが、でしゃばりすぎるのは考え物です。副担任による主導を好まない担任もおり、関係が悪化すれば、一年間、ギクシャクして過ごさなければいけません。副担任の役割は、担任の考える学級運営が円滑に進むようお手伝いすることです。自分の立場は、あくまでサポートする役目なのだという意識をもつこと。「何か手伝えることはありませんか?」と積極的に声をかけながら、担任が考える目的達成をともに進めていきましょう。 

担任と副担任の役割を明確にした成功例

担任と副担任の役割は、学校によってもその線引きがあいまいになりがちです。逆に、それぞれの役割を明確にすることで、より良い学級運営が進んだ例もあります。公立学校と私立学校、それぞれの具体的な事例を紹介しましょう。

1. 米沢市立上郷小学校のチーム・ティーチングの実践例

米沢市立上郷小学校では、学習フォローにおいて、担任と副担任の連携を強化しています。まず、担任がクラス全体を包括的に指導し、学習についていくのが困難な生徒を個人的にサポートする役割を副担任が担います。遅れがみられ、常にサポートが必要だった生徒が、副担任による断続的な支援と見守りより、不安感が解消したとのこと。そして自ら学習に取り組めるようになったという改善報告が挙げられています。また、担任と副担任の関係を深める取り組みとして、職員室での机の配置を隣にし、全体指導と個別指導の情報交換を密に行える環境をつくっているとのこと。普段から連携を取りやすいことが、こうした結果につながったのではないでしょうか。

2. 私立むさしの学園小学校の少人数指導と複数副担任制の実践例

私立むさしの学園小学校では、少人数教育と個別指導に力をいれています。原則1年生から4年生までは、1クラス24名、低学年では可能な限り20名以下の独自のクラス編成を行っています。算数のように学習レベルの差が出やすい科目では、担任以外にも1~2名のサポート教員といった副担任の役目を持つ教員を設定し、授業に入るようにします。つまずきかけた生徒への個別対応を行うことで、授業の進行をスムーズにする仕組みです。担任がクラス全体を把握し、複数の副担任が1人に時間をかけて教えることができるため、より丁寧な指導が実現している例です。副担任によるサポートで、一人ひとりをじっくり見ることができるようになり、長時間1人と向き合えるため、生徒の心理的なサポートになるとの声があがっています。

ただの代わりではない「副担任」の価値

副担任の立場は、あくまでも担任のサポートです。しかし、個別の指導を受け持つなど重要な役割を担っています。副担任ならではの視点で、担任と連携し、より良い学級運営を行うための努力を重ねたいところです。副担任は決して目立ちはしませんが、クラスを支える縁の下の力持ちといえるのではないでしょうか。

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