部活動の顧問の意義と実態について

授業・生徒指導

教員志望者のほとんどの人が、部活動の顧問の先生として活躍することに対して、前向きで、積極的な意識を持っています。部活動で指導を重ねる中で、人間的な関わり合いが深まり、強いつながりや信頼が育まれていくことがあります。それは、教員自身が、生徒とともに成長できる機会でもあります。

教員志望者のほとんどの人が、部活動の顧問の先生として活躍することに対して、前向きで、積極的な意識を持つといわれています。文部科学省の調査データによると、中学校教員における部活動顧問の担当の割合はほぼ9割。つまり、ほとんど全教職員が、なんらかの部活動を担当している、あるいは、かつて顧問をした経験があり、教員生活において大きな意味を持っているようです。部活動への関わりについて是非を問われる昨今で、改めて、その実情を確認してみましょう。

部活動の顧問になる大きな意義

部活動への関わりに何らかの意義を感じている先生たちは、給与や勤務時間のような規定や条件に換算できない価値やメリットを感じています。顧問を担当することで感じる魅力には、以下のようなことが挙げられます。

  • 自分が部活動で得た感動や経験を、生徒にも与えるきっかけになる
  • 自身が好む部活動を担当することで、活動そのものに楽しさとやりがいを感じられる
  • 感動体験を通じて、生徒との信頼関係を育める
  • 自身があこがれていた指導者を目指し、また学生時代の恩を次の世代に返す一助となる

仕事という義務感を超えた、人間的な情熱。あるいは純粋に、無条件に熱くなれるもの、熱意をもって取り組めるやりがい、精魂込めて打ち込める生きがい、そういった言葉にできない心意気が原動力になっているようです。まさに、教員でなければ味わうことのできない魅力といえるのかもしれません。

部活動の顧問の実態

部活動の顧問の仕事は、担任や副担任などと同じく、すべて任命される形で配属されることがほとんどです。担当したい部活動があれば、ある程度、要望を伝えることもできますが、先任者の空き状況や、前年度比較の人数調整、継続状況などから割り振られます。
また、部活動の顧問には、日々の練習をはじめ、試合や大会への付き添い、研究発表への参加、合宿の運営などカリキュラムを超えた時間的な拘束と管理責任も発生します。

大きなやりがいを感じられる一方で、部活動の顧問とは、生徒への指導力や安全の確保など、責任ある立場でもあるのです。

多様な部活動顧問のあり方

顧問の仕事内容は、学校によってもスタンスが大きく異なります。どちらかというと単独専任の顧問となる配属は少なく、多くは、顧問と副顧問というように複数名の教員で担当することになります。
具体的な指導方法は、顧問となる教員に任せられることがほとんどで、顧問の先生の取り組み方によって、生徒との人間的な信頼関係が強く育まれ、素晴らしい成果や可能性を広げている部活動もあります。

また、部活動へ取り組む姿勢は、卒業生や父兄との連携、地域性や校風によっても異なります。成果を期待するような部活動の場合、外部から専任のコーチをむかえる学校もあり、そうした場合、顧問は主に事務的な作業を受け持つことになります。

生徒とともに成長できるやりがい

部活動での指導を重ねていくなかで、人間的な関わり合いが深まり、強い絆や信頼が育まれ、感動につながります。それは教員自身が、成長を実感できる瞬間でもあります。部活動の顧問という役割を通して「生徒と共に、教員が成長を遂げていく課程にどう取り組むか」という意識を高め、価値を見出だしていきたいものです。

参照

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