いま話題の「チーム学校」って何?

授業・生徒指導

学校を取り巻く課題が複雑になっていることを背景に、教員が教科指導や生徒指導に集中できる仕組みの構築を目指した「チーム学校」とよばれる考え方が提唱されています。私立学校の場合は一部先行している事例もありますが、今後はさらなる地域との連携が求められるでしょう。

最近、メディアを中心に教員の業務の多さについての議論が活発になっています。教員には、教科指導はもちろんのこと、生徒指導や部活動、保護者対応、学校の運営にあたって分担された校務などさまざまな業務があり、「スーパーマン」のような働きが求められるとさえ言われることも。この問題を解消するひとつの考え方として、「チーム学校」とよばれる手法が注目されるようになっています。どのようなものか見ていきましょう。

学校教員の現状

中央教育審議会の答申「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」によれば、日本の教員の特徴は以下の3つにまとめられます。

  1. 学習指導、生徒指導、部活動等、幅広い業務を担い、子どもたちの状況を総合的に把握して指導している。
  2. 欧米諸国と比較して、教員以外の専門スタッフの配置が少ない。
  3. 国際的に見て、勤務時間が長い。

さらに、いじめ、不登校、家庭の貧困問題などへの対応も学校に求められるようになっており、教員が抱える課題は複雑化しています。結果として、教員が教科指導や生徒指導に割く時間が十分に確保できていないという問題が指摘されているのです。

「チーム学校」とは?

このような状況を解決するために、「チーム学校」という考え方が提唱されています。「チーム学校」とは、「専門性に基づくチーム体制の構築」、「学校のマネジメント機能の強化」、「教員一人一人が力を発揮できる環境の整備」の3つの視点に沿って学校のマネジメントモデルを転換するものです。

この中でも特に注目されているのが、「チーム体制の構築」です。学校内部においては指導体制の充実を図るとともに、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、部活動指導員、図書館司書など外部の専門性を持つ人々と連携することが想定されています。これに加え、地域住民と問題を共有するために、地域連携担当の教職員も重要な存在になります。すでにその役割を担っている教員も含めて、「地域連携担当教職員」(仮称)として法令上明確化することを文科省が検討しています。

こういった取り組みにより、教員以外にも専門性を持ったスタッフが配置され、「チーム」で連携・分担して問題解決にあたることになります。教員は従来から担ってきたさまざまな役割のうち、教科指導や生徒指導といった業務に今までよりも集中して取り組むことができるようになると期待されているのです。

私立学校の場合はどうなる?

それでは、私立学校の場合はどうなのでしょうか。中央教育審議会の答申には以下のように述べられています。「私立学校は、それぞれ建学の精神に基づき、特色ある教育活動を展開している。『チームとしての学校』を推進するに当たっては、国・私立学校の位置付けや校種の違いなどに配慮するとともに、各学校の取組に対する必要な支援を行うことが重要である」。

私立学校では、部活動のために外部から指導者を招聘(しょうへい)しているところもあります。つまり、すでに「チーム学校」の視点が盛り込まれた教育が実践されているともいえます。一方で地域との連携については公立学校ほど盛んでないところも多く、今後は学校の特色に応じた外部との連携が期待されます。

以上、「チーム学校」について見てきました。まだ本格的に動き出していないため、なかなかイメージしにくいところがあるかもしれません。それにもかかわらず、「チーム学校」についての議論がここまで盛り上がっているのは、学校や教員に求められる役割が増加し、解決すべき課題が複雑化しているという背景があるからにほかなりません。教員にとっても生徒にとっても学校がよりよい場所となっていくよう、「チーム学校」の実施状況については注意深く見守っていく必要があります。

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