教師が知っておきたい子どもが育つ叱り方

授業・生徒指導

子どもを叱るときには、命にかかわるようなとき、人権にかかわるようなときなど、基準を決めておくようにします。子どもを叱ったあとには必ず、フォローの言葉かけをするようにしましょう。子どもたちとは日頃から本気で接し、信頼関係をつくっておくことが大切です。

生命にかかわるようなとき、人権にかかわるようなときには本気で叱ることが必要です。このようなときには、子どもたち自身が人間として成長するために叱ることも大切です。
今回の記事では小学校教育の現場について見ていきます。

女子は人間関係、男子はけんかで叱ることが多い

子どもを叱る場合、とくに成長が著しい小学校高学年では、女子と男子では叱る内容が異なってきます。女子は人間関係のトラブルが多いのに対し、男子はけんかや物を壊したりして叱ることが多くなります。女子はグループを組む傾向にありますから、自分と違うスタイルの子は、排除する傾向にあるようです。交換日記や手紙のやり取りはトラブルの元になりやすいもののひとつです。小さな紙切れのメモでも、「○○さんが私のことをちらっと見ながら渡している。私のことを書いているに違いない」と小さな猜疑心が徐々に大きくなり、後々のトラブルの原因になります。早めにトラブルの芽を摘んでおくことが大切です。一方、男子は、けんかやものを壊したり、投げたり、表に見えることが多い傾向にあります。そのことは「よくないよね」と言うと、「はい」と子どももすぐに納得することが多いようです。女子も男子も性別に関係なく、生命にかかわる行為、人を傷つける行為が見られた場合には叱るという基準を決めておくようにします。教師は「私は生命と人権にかかわるときにはあなたたちを叱ります」ということを子どもに伝えておくとよいでしょう。

叱ったあとには必ずフォローをする

叱るだけでは子どもの心が傷ついてしまうことがあります。叱ったあとは必ずフォローをすることが大事になってきます。さりげなくその子にやさしい言葉をかけたり、がんばったところをほめたりしてフォローをするとよいでしょう。また、クラス全体に対して叱ったあとには、「先生はあなたたちを叱りに学校に来ているのではないですよ。できることなら、よくやったと言って1年間過ごすのが本音です。だから私に叱らせるのではありません」と、冗談ぽくフォローするという方法もあります。クラス全体で叱ると納得していない子がいます。そのようなときには、その子たちを呼んで、「先生はこんなことを思って伝えたけど、あなたはどう思ったの?」「先生はこう思ったけど、あなたはもしかしたら納得していないかもしれないけど、こうしてほしいから話したのですよ」というように後でフォローをするとよいでしょう。いつも叱る場面で冷静に叱ることができればよいのですが、そうはいってもつい感情的に怒ったり、事実確認をしないで怒ったりするときもあります。間違いがわかったときには「先生が間違っていたね。ごめんね」と謝るようにしましょう。

保護者に言う時は、まず子どもに伝えさせる

小学校高学年の場合、自立心が育っていますので、保護者に伝えないといけない時には、子どもにまず伝えさせたあとに、教師から電話をかけるようにします。それは、子どもと教師との信頼関係がこわれないように子どもに納得させるためです。たとえば友達にケガをさせたときは、家の人に伝えなければいけない内容です。何がいけなかったか、何を変えなければいけないのかをきちんと子どもに納得させた上で、「今日おうちに電話をかけるからね。先生からの電話の前にまずあなたがおうちの人に話をしなさい」と言うようにするとよいでしょう。そうすることによって、子どもの自尊心が守れ、教師との信頼関係ができるからです。そして、家の人にきちんと言えたら、「がんばったね」と正直に家の人に話したことに対してほめるようにします。

本気で子どもたちと接する

日頃、本気で子どもたちと接することが、教師と子どもたちの信頼関係を生むもとになります。かけっこで全員に勝つ、鬼ごっこで全員タッチするなど、子どもとの関係づくりの一環として、本気で遊んだり、スポーツしたりすることが大事になってきます。本気で関わっている姿は性別関係なく、対人間なのです。そういう関係だから本気で叱れば伝わります。叱った時も子どもたちは「自分のために叱ってくれている」と素直に受け入れることができるでしょう。